各種矯正
矯正について
歯科治療の中でよく耳にする矯正。単純に、歯並びを変えるという事を連想される
方が大半ではないでしょうか？「歯の凸凹」、「歯と歯の間」を気にされる患者さん
は少なくありません。中でも、認識しやすい前歯についての相談が多いようです。
歯列不正改善の為の矯正
子供の歯から大人の歯に生え変わる時、綺麗に歯が並ばなくなってしまうことが
あります。歯列不正と言われます。骨格性の場合もあり、遺伝が大きく作用しています。
そのため親兄弟などの身内に歯並びの悪い人がいる場合は遺伝する傾向があります。
この歯列不正をきれいな歯ならびにし、かみ合わせを良くする治療が矯正治療です。
また、矯正治療はきれいな歯並びと共に体の健康やかむ機能を増進させます。歯列
矯正は噛み合わせを向上し、顎関節症の予防には非常に効果があります。
歯列不正のタイプには歯が凸凹しているものの他、出っ歯や受け口のような上下の
顎が不揃いのものもあります。それぞれのタイプによって治療方法や装置、期間が
ちがいます。２～３年は最小必要期間で、小児では、成長期が終わる時期まで観察
が必要です。
歯並びを良くして理想的なかみ合わせを作ることで、良く噛めるようになり、見た
目も、発音も良くなる他、虫歯や歯周病にもなりにくくなります。
顎関節と歯並びの関係性改善の為の矯正
顎関節と歯の並びの関係性に問題がある場合、歯、顎関節のどちらか、または
その両方にダメージが蓄積することがあります。顎関節とそれぞれの歯が本来の役割
を果せるよう、歯の並びを治すことを目的とした矯正治療があります。
歯は単独で存在しているわけではありません。歯の根っこ（歯根と呼びます）は骨
（歯槽骨と呼びます）に埋まっており、その周りを歯ぐきが覆っています。
外にとび出した歯や内側に引っ込んでしまった歯は歯根が一部、歯槽骨から出て
いることもあります。上記の場合、歯根の周りは歯ぐき1枚という状態で歯周病の
リスクが高くなります。
このような歯根を可能な限り歯槽骨の中に移動することを目的とした矯正治療が
あります。
歯根を動かすにはお口の中に見えている歯のあたまの部分（歯冠と呼びます）を
動かすよりもはるかに時間がかかります。
見えていないところですが、歯根をきちんと動かすことは歯ぐきのラインを合わせ
たり、歯周病のリスクを減少させるためにとても大切な事です。
お顔の印象の変化を目的とした矯正
初めての方とお会いする時に第一印象を気にされるのは当然のことです。口元は、
お顔の3分の1以上を占めています。中でも歯や口元は顔の印象を決める上での大きな
要素のうちのひとつになります。
「口元が出ている」、「笑った時の歯ぐきが気になる」といったお顔に関わる問題
を気にされ、来院される場合も少なくありません。口元の問題を解決するために、
前歯を奥に動かしたり、歯ぐきの問題の解決には前歯を上に持ち上げたりします。
歯の並びだけでなく、それぞれの歯の位置を正常にすることで、見た目の変化に
つながります。
歯には大きく分けて4つの種類があります。それぞれが異なった機能を担っている為、
形が違います。
歯並びの良さに加え、それぞれの歯が、与えられた機能を充分に発揮できるよう、
咬み合わせをつくることが矯正治療の大きな目的です。このため、医療としての価値
が高く、医療費控除の対象です。
歯のすき間や上下のあごのズレによってサ行やパ行などの発音がうまくできない
場合があります。咬み合わせを治すことで発音機能の改善も見込めます。
矯正治療の目的
- 歯の並びの変化により表情が美しくなる
- 咬み合わせの変化によりよく咬めるようにる
- 歯並びと口元がきれいなる
- 歯と歯のまわりの組織の変化により正しい発音が出来る様になる
- 咬耗の予防
- アゴの関節と歯の並びの関係性の変化による顎関節症の予防
矯正中に注意することとしては、装置を使って顎の状態や歯を動かして歯並びを
整える治療となる為、装置の装着中は歯肉炎や虫歯になりやすくなります。歯みがき
を十分行い注意してください。歯科医の指導の元に行ってください。